猿の裁判
あるどさ、大っきな猫と小ちゃこい猫と、友達で遊んでだんだけど。
ほうしたばよ、おにぎり拾ったごんだと。
そいつも大っきいおにぎりと、小つちゃいおにぎりだったんだと。
大っきな猫が小っちゃいおにぎり拾って、小っちゃい猫が大っきなおにぎり拾ったごんだと。
ほうしたば、小ちゃこいな拾った大っきな猫が、小っちゃい猫さ、
「お前、小つちゃいなりして、大っきいおにぎりなて、だめだごで。
おれどさそいつ、よこせ。お前は小っちゃなでいいなだ」なて言ったど。
そうすっと、小っちゃい猫は、
「お前、そげにおがったのも、おれこれから大っきくなんなねだから、大っきおにぎり食んなねなだ」て、ケンカになったんだと、やんやんとよ。
「いや、困ったこりゃ。んじゃ山のお猿さんに裁判して貰うべ」て山さ行ったど。
「猿さん、猿さん。こういう訳で、おれ、大っきな食うてば、小っちゃい猫大っきな食うなんてきがねから、裁判しとごえ」て言ったど。
「ほだか、ほんじゃしょうがねから、これ、坪にかけて同じ重さに量んなねごで」て、坪持ってきて、量ってけだど。
こっちの小っちぇなど大っきなど、おにぎり目方かけて、
「あっ、今度こっち重でくなつた」なて、ばくばく食ったんごんだと。
そうして、とうとう猿にみな食っちぇしまったんだと。
とーびんと